2019年2月のリリースされたPC・コンシューマゲーム機(PS4・PS5・XBOX・switch)向けバトロワ型FPSゲーム「Apex Legends」。
「Apex Legends」は、PUBGよろしく銃を撃ち合って最後の一人を目指すバトルロワイヤルFPSのシステムをベースに、ワープなどの個性的なアビリティを使用する「レジェンド」を操作して、三人一組で戦うゲームです。競技性も高いこのゲーム性が話題を呼び、国内で爆発的な人気を誇っています。
アップデート、鯖落ち、大会、チーター、これらのイベントがAPEXで発生する度にツイッターのトレンドはAPEXで埋め尽くされます。
ユーザー層も幅広く、アイドルや俳優、Vtuber、テレビ局のアナウンサーまでもが、このゲームにハマっていることを明かしています。かつてこれほど広い層にウケたFPSがあったでしょうか。
今回は「Apex Legends」が何故こんなに流行ったのかを、「配信者」「昨今の自粛事情」「ゲーム性」の3つの要素から考えていきます。
硬派過ぎないカジュアルなゲーム性がライト層に刺さったから
APEXの基本的なゲームシステムは、他のバトルロワイアルFPSと大差ありません。要は、銃を撃って敵を倒し、最後まで生き残るゲームです。
元来、FPSゲームは万人受けしないゲームジャンルでした。普段ゲームなどに触れない親世代にとっては「ピストルで人を殺すなんてとんでもない!」と思うかもしれませんし、子供たちの大半は、ポケモンやドラクエで遊び始めます。
一部のモノ好きが熱狂的にやり込むゲームジャンルとして、FPSゲームは君臨していたのです。
では「Apex Legends」はなぜ、ここまで幅広い層に受け入れられているのか。私が思いつく限りの仮説をリスト化してみました。
個性的なキャラクターと断片的なストーリーが、二次創作を促進したから
APEXに登場するキャラクターや舞台には、細かい設定が作り込まれています。
例えば、一番人気のレイスには壮絶な過去があります。
彼女は過去の記憶を失ってしまっていました。ゲームのシーズンを追うごとに彼女の正体が明らかになっていき、彼女は人体実験の被験者だったことが判明します。
自分の過去を見つけるために試合に参加し、仲間を気遣いながら戦うレイスは、ゲーム中かなりカッコいいキャラクターとして描かれています。
【APEX】一緒にショッピングに行ったレイワト🛍️ pic.twitter.com/FBTPlPERld
— あっか (@akka_0510) March 1, 2021
ファンアートも多く描かれており、APEX二次創作界隈の花ともいえる存在になっているようです。
APEXの楽しみ方は、プレイを磨くことだけではありません。
作り込まれたキャラクターや舞台を研究して、そこに自分の想像を付け足していくのも、APEXの楽しみ方の一つというわけですね。
ファンアートや二次創作が盛んに行われていることは、新たなユーザーの呼び水になっていると思われます。
勝利条件が、最後まで生き残ることだから(上手くなくても勝てる可能性があるから)
これはPUBGの時代からのシステムですね。バトルロワイアルの面白いところは、強い人が必ず勝てるとは限らないシステムになっていることです。
最後まで隠れに隠れていた初心者が、ラスト適当に投げたグレネードが見事当たって勝利する、なんて話は割と日常茶飯事です。
初心者にとって、敵に弾を当てるのは針に糸を通すよりももっと難しいことですから、弾を当てれなくても勝てるチャンスがある方が楽しめますよね。
そんなにガチでやっていないカジュアル層の離脱を食い止めている仕様であることは確かかとおもいます。
三人一組のバランス感が、友達とやるには最適だった
二人だとちょっと気まずい。四人以上だと集めるのが面倒臭い。
三人で遊べるゲームというのがちょうどよかったのかもしれません。
友達を誘って、適当にだべりながらやるゲームとしては最適かと思います。
負けた時の責任も分散できるし、大人数の煩わしさもない……書けば書くほど、三人一組がちょうどいい気がしてきますね。
あくま感覚の話なのでここは何とも言えませんが、二人や四人チームのゲームであったなら、ここまで普及してないような……感じもしないでしょうか🤔
カリスマ配信者が多く参入したから
AEPXの台頭には、カリスマストリーマー達が深く関係している可能性があります。
例えば、プレデターランク(全プレイヤー上位750名)をキープしている個人Vtuberの渋谷ハル氏のランクマッチ配信は、平日の昼間にも関わらず1万人近くのリスナーに見守られて行われていました。
彼のずば抜けたプレイヤースキルと、軽妙なトークスキルは、多くの新規プレイヤーを生むことに貢献したと言えるでしょう。
APEX始めたキッカケが実は渋谷ハルさんのレイスがカッコよかったからだし、最近使ってなくて悲しかったけど、CRカップでレイス使ってちゃんぽん取った時はマジでカッコよくて感動した🥺
— 西瓜の種🍉 (@suika_icesoda) March 8, 2021
渋ハルの配信からAPEX始めた身としてはやはり渋ハルにはボルトより99使って欲しい
— ドラゴノフ提督は人間嫌い🐬 (@svddoragonov) November 4, 2020
来シーズンは沢山見れるといいなぁ
渋谷ハル氏はゲームをプレイすることだけでなく、個人主催の大会の運営まで行っています。大会当日はもちろん、前日前々日の練習配信からツイッターのトレンドにピックアップされていました。
人気Vtuberがこぞって参戦したこの大会のアーカイブの再生数は150万回に及んでいます。
渋谷ハル氏の他にも、多くの有名ストリーマーがAPEXに精力的でした。元デトネーターのスタイリッシュヌーブ氏、超人気ゲーム実況者の加藤純一氏がAPEXをプレイし、時にはカジュアル大会にも出場されています。
有名ストリーマーが集まる大会「CRカップ」はすでに第4回目まで開催されており、そのすべてが大きな話題を呼ぶことに成功しています。
それも当然のこと。この大会には、芸能人、アーティスト、グラビアアイドル、歌い手、Vtuber、プロゲーマー、YouTuber、エンタメ界隈のトップカリスマ達が集まっていたからです。
【第4回 Crazy Raccoon Cup Apex Legends 】
— Crazy Raccoon (@crazyraccoon406) March 13, 2021
3/14 (日) 18:00〜 スタート
実況: @kouhiraiwa777
解説: @apexalelu
👇配信はこちら👇https://t.co/rRYuguhUoC#CRcup #APEX pic.twitter.com/8MjuVWQFvE
CMに大人気女優を起用した化粧品は売れるでしょう。
色々な界隈のトップインフルエンサー達がAPEXを毎日のように配信するというのは、面白くて終わらないCMをずっと見せられているようなものです。
これがAPEXの人口増加に寄与していないとは、なかなか言えないのではないかと思います。
自粛事情が重なった年にリリースされたゲームだから
昨今、流行り病の事情で、外出を控えている方が多いと思います。
APEXの異常な流行を考える上で、「みんなが家に籠るタイミングでリリースされた」というファクタは見過ごせるほど小さくないものだと思っています。
普段より家にいる時間が増えるわけですから、その時間をつぶすための新しい娯楽を見つけなくてはなりません。
ざっとありがちなシナリオを書いてみましょう。
コロナ。緊急事態宣言。外出自粛命令。
多くの人が悩みました。
「さて、何か暇つぶしになるものはないかな……」
そこに現れたのがAPEXです。
「APEXとやら、よく調べてみれば、あの有名人もプレイしているそうじゃないか!」
「面白そうだ、ちょっとやってみるか……」
恐らく、こういう形で始めたプレイヤーも多いのではないでしょうか。
ツイッターのトレンドにも度々上がってくるAPEXは、自粛で暇を持て余していたカジュアル層の目にも留まっていたはずです。
大前提、プレイしてて面白いから流行ってる
と、ここまで色々書きましたが、大前提として「ゲーム自体が面白いから流行っている」というのは揺るぎない事実でしょう。
どんなに有名配信者がやっていたとしても、実際にプレイしてつまらないゲームであれば、ここまで長期的に流行らないはずです。
私もFPSゲームには興味ない勢でしたが、不思議とAPEXは長くハマり続けました。
勝っても負けても「もう一回だけやるか…」という気持ちになるんですよね。これは、ゲームプレイの幅が広くて、戦略にも深みがあるので「次はこうしよう」が生まれやすいからかもしれません。
まとめ
ここまでいかがだったでしょうか。
上記の内容を簡単にまとめてみますね。
これだけ日本で流行るFPSゲームは今後中々生まれないんじゃないかと思うので、息の長いコンテンツになることを祈ってます。
esportsが日本で流行るきっかけになったりするといいですよね。
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